債務整理の歴史
「あなたも払い過ぎた借金を取り戻しませんか?」といったキャッチコピーをテレビCMや新聞広告、また通勤電車の広告などで最近を良く見かけると思います。これは今話題の過払い金返還請求のキャッチコピーですが、過払い金請求は主に任意整理に該当する債務整理の一つであり、現在この債務整理が普及した背景には様々な事情が存在します。
債務整理の昔と今
債務整理というと従来は自己破産が主流でした。借金の最終手段として全ての財産を放棄し、借金をリセットさせるこの自己破産以外では、債務者が弁護士費用と比較しても採算が合わないからです。その後2000年に民事再生がスタートした事で、一般の債務者にも債務整理の幅が広がり、自己破産以外の選択肢が登場します。そして2007年の過払い金の返還を求める裁判で、消費者金融側の全面敗訴を受けたことにより、これまでの流れが一変し、任意整理の幅が大幅に拡大されたため、債務整理の拡大と利用者の増加に繋がっていくのです。現在の債務整理は主として、過払い金請求による借金の減額と、自己破産や個人再生による借金の免除及び減額が対象となっており、借金の金額や債務状況に応じて法律家は最良の手段を検討し、借金の減額に向けて行動を開始します。
債務整理は売り手市場から買い手市場へ
この債務整理の普及の背景には、2006年からスタートした新司法制度も大きく影響しています。本来債務整理は民事を専門とする弁護士の、補助的な業務として行われていましたが、この新司法制度により弁護士の数は急激に増加し、増えすぎた弁護士の雇用の拡大と上述した過払い金請求の普及とが重なった事で、現在のように債務整理を本業とする弁護士事務所が多く開業を行うようになったのです。この背景により本来は売り手市場だった債務整理業界は、現在では弁護士事務所が積極的に顧客開拓を行う、買い手市場へと変化します。本来高額な依頼料が必要だった弁護士料金も、市場が変化した事で金額も大幅に減少傾向となっており、債務整理は多重債務者など借金に悩んでいる人にとっては、立派な選択肢の一つとして確立される事になるのです。